第72回 名古屋大学防災アカデミー 2011年9月13日(火) 於:環境総合館レクチャーホール

 

東電原発事故による環境汚染が
地域住民に及ぼしている影響

-衣・食・住・被曝・健康・法規制-

西 澤 邦 秀

名古屋大学名誉教授
 

講師紹介

9月13日の防災アカデミーは名古屋大学名誉教授の西澤邦秀先生にご講演いただきます。

震災以降、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関する報道が続いており、非常に多くの情報があふれています。これらの中では日常使わない物理学の単位や数字の桁などが使われていますが、私たちはそれをどのように受け止め、理解すれば良いのでしょうか。

西澤先生は放射線に関する安全管理や人体への影響についてなどがご専門です。平成13年には日本放射線安全管理学会を設立し、初代会長を務められるなど、広くご活躍されています。当日は、放射線に関する基礎的なご説明から人体への影響、法整備にいたるまで、貴重かつ重要なお話をいただけると思います。

講演のようす

会場の様子 講演される西澤先生
会場内は満席となりました。
参加者は121名でした。
ロビーにも会場内の様子を中継をしました。

参加者の感想

今からさかのぼること?年前に、アイソトープ総合センターでセンター長秘書として仕事をするために必要な、放射線業務従事者資格取得のため、講習会を受けるはめになった。RI講習会では、講義と実習の受講が必須で、西澤先生(当時の上司)の講義を受けた。男子学生が圧倒的に多い講義室で、いつものユーモアを取り入れながらの西澤節で「放射線は常にまわりに飛び交っている。(もちろん人体に影響はない)若い男性は特に放射線をたくさん飛ばしているから、女性は朝、ワカメの味噌汁を飲んで、遮蔽するのがよろしい。」当時何を学んだのか、何も覚えておらず、実験に至っては研究者の皆さんのグループにいたため、お任せで済ませてしまっていた。なのに、この話だけは未だに忘れていない。

西澤先生はユニークで親しみやすくて、それでいて時に厳しく、圧倒的な存在感を持っている。福島の原発事故による放射能汚染問題においても、いち早く国に提言し、環境汚染地域への除染の取り組みを始めている。西澤先生は常にエネルギッシュに仕事に向かう姿勢を持ち続けることが使命なのかと思うほど、大変なことに挑む時ほど活動的に見える。被災された方々のために、日本のために、ひいては世界のために今後も尽力していただきたいとお体を案じながらも願ってしまう。また、微力ながら、お手伝いができればと思う次第である。

名古屋大学大学院環境学研究科 地震火山・防災研究センター

技術補佐員/研究支援推進員 中橋新子