名古屋大学防災アカデミー

第43回 「世界に拡がる日本の火山監視技術 
       −火山防災のための国際協力の現場から−」

講師: 熊谷 博之 (防災科学技術研究所)
場所: 環境総合館1階 レクチャーホール
日時: 2008年10月24日(金)18:00-19:30



火山防災網と人材育成の大切さを、エクアドルでの具体例を交えてお話いただきました。

熊谷博之先生。

今回の出席者は73名でした。
写真撮影:稲吉直子

セミナーに参加しての感想

火山で起こる災害についてはあまり詳しく知りませんでしたが、冒頭でわかりやすい説明をいただけたのでその後の話題にもついていきやすかったです。
 日本の進んだ火山監視技術を途上国に提供できるということは、とても誇らしいことだと思います。エクアドルの機材は旧式で機材調達に長くかかったようですが、今後エクアドルが日本の援助なしに独立して火山監視をしていけるよう、現地でのサポートが確実に受けられる様な(日本製であることを問わない)メーカーの機材を選んだというところは特にすばらしい対応であると感じました。私は実験で様々な機器を使用しますが、うまく作動しなくなることはよくあります。日本製でない機材を使用することに賛否両論あったと思いますが、エクアドルの今後を考える上では適切な配慮であったと思います。
 火山活動のモニターで様々なシグナルを観測し、今ではリアルタイムでデータ解析をして情報を発信できるということには技術の高さを感じずにはいられません。地域住民への避難の呼びかけが早期にできるということ、また、途上国での日本では見られない現象を今後の日本の参考にできるといことは、双方に利益がありとても良いと思います。
 プロジェクトの成果として、火山内部の状態に関する知識と理解が深まった、ということでしたが、高度な技術流入で膨大なデータを一度に入手可能になることで、ひとつひとつのデータが軽視されがちになり学問の発展の妨げにならないかが少し心配になりました。
猪飼 陽子(環境学研究科・大学院生)

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